我が家の末っ子猫「バジル」の闘病生活の記録です。
同じ病気の猫ちゃんの飼い主さんの何かのヒントになればと思い随時更新しています。
病気発覚
2022年5月27日夜
普段通り、バジルのお腹を撫でていると、ごっそりと毛が抜けているように見えたので次の日の朝に病院に行くことに。
問診・血液検査・エコー・CTの結果、貧血と黄疸の症状が出ていることが分かりました。
(お腹の毛は無関係でした)
- RBC:赤血球数
- Hb:血液中の血色素であるヘモグロビンの量
- Ht:ヘマトクリット値=血液中に赤血球が占める割合(%)
上記3点が貧血に関する数値です。基準値の3分の1以下でかなり危険な状態
また、バジルは耳・耳の下の皮膚・目に黄疸の症状が出ていました。
病気の可能性
この段階で可能性のある病気は
- FIP(猫伝染性腹膜炎)
- IMHA(免疫介在性病欠性貧血)
FIPは難病であり、国内で認可されている薬では治療が困難で、病気の進行も非常に早く、発症した猫はほぼ死に至ると言われている恐ろしい病です。腸炎や腹膜炎を起こします。
IMHAは、免疫機能が血液の赤血球を異物と見なし、自分で自分の赤血球をどんどん攻撃してしまうことで、血液の濃度が低下し貧血になる病気です。
FIPの場合、検査でその病気かどうかが分かりますが、結果が出るまで1週間ほど。
IMHAは、検査では分からず、その他の病気の可能性を排除していくことと血液検査からこの病気の可能性が高い、という診断となります。
どちらにしても病気が分かるまで時間がかかります。
その間もバジルの貧血状態は続いています。
このままでは数日で亡くなってしまうほどのひどい貧血だったので、病名を確定するよりもまずは輸血をすることになりました。
ドナー探し
通常であれば、病院に登録しているドナーの猫から血を分けてもらいます。
ですが、運が悪いことにドナーの猫ちゃんがお昼ご飯を食べてしまった直後で血をもらうことができませんでした。
そこで、我が家にいるもう1匹の猫アンチョビをドナーにするのはどうかと主治医から提案がありました。
急遽アンチョビを病院に連れていき血液を採取し適合するか確認することに。
人間と同じように猫にも血液型があり、これが合わないと輸血ができないのです。
バジルとアンチョビは同じノルウェージャンフォレストキャットという猫種ですが、血縁関係はありません。
ですが見事に適合し、アンチョビの血をバジルに輸血できることになりました。
バジルのために頑張ってくれたアンチョビ、ありがとう。
しかしまだ油断はできません。
血には治療には不要な成分もたくさん含まれており、そうした成分への副反応(=拒絶反応)が起こる可能性もあるそうです。もし副反応が起こった場合は輸血は即中止しないといけません。
輸血を初めて10分
副反応は起こることなく、輸血を継続できることになりました。
この時点で夜の9時
ここから4時間かけてゆっくりゆっくり輸血をしていきます。
輸血準備のために麻酔をしていることもあり、この日はアンチョビも1日病院でお泊りすることになりました。
輸血終了後の朝
夜中の1時に輸血が終わり、その後の血液検査の結果を聞きに朝から病院へ。
輸血のおかげで貧血の数値は少し改善していました。
しかし輸血というのはあくまでも一時的な回復であり、根本的な治療ではありません。
まだ予断を許さない状況であること、貧血から酸欠の症状も出ていたこともあり、この日から入院することになりました。
入院
酸欠の症状があるため、ICU(集中治療室)の高濃度酸素室での入院。
そしてステロイドを1mgを1日2回注射にて投与します。
入院期間は数日~10日程度で、症状や毎日の血液検査によって決まります。
うちの病院の場合、面会は診療時間内ならいつでも来てOKとのこと。
結局毎日最低1回30分程度の面会に行きました。
そして猫の入院生活、最大ミッション「ご飯」
猫は環境の変化に敏感で、慣れない場所やにおい、飼い主から離れる不安、治療への恐怖により食欲が無くなる猫が多く、それによって体調を崩してしまうことも多いんだとか。
しかしうちのバジルは驚異の食欲!
ご飯の準備時間になれば早くしろと鳴き、出されたご飯はもちろん即完食!
出された量では足りないと催促まで、、、
面会に行くたびに、主治医や看護師さん、受付のお姉さんにまで褒めてもらうほどでした。
退院・入院の治療費
入院から6日目
主治医が笑顔で私たちのもとへ走ってきて
「今日退院できるかもしれません!」
血液検査の結果、ICUでの管理をなくし、通院と毎日の服薬で治療・経過観察していけるレベルまで回復できました。
ICUでの入院生活は6日間
- 初めの4日間:高濃度酸素室にて
- 残りの2日間:高濃度酸素室から出て通常の入院に
初めはステロイドを1mgを1日2回注射にて投与していましたが、ステロイドにより肝臓の数値が爆上がりしてしまったので、ステロイドを1mgを1日1回注射にて投与に変更になりました。
※本来なら、もっと早くに肝臓の数値が上がるそうですが、入院4日目まで保ってくれました。
この6日間の入院でかかった費用は27万円(1日1万円の保険適用で支払いは21万円)
バジルの治療には必要な経費ですが、高額な治療費は痛い出費でした。
1週間ぶりの我が家
家に帰ってバジルをキャリーケースから出すと、家の中を一通り探索。
探索中にトイレにも寄って、しっかり用を足していました。
ご飯は、今までなら一気食いはせず、半日かけてゆっくり食べる子でした。
しかし病院生活で慣れたのか、以前より元気なったのか分かりませんが、出された分を一気に食べ、アンチョビの分まで食べてしまうほど。
(さすがに食べ過ぎだったので没収)
一方アンチョビの様子ですが、病院の臭いをまとっているバジルのことをずっと警戒・威嚇。
鼻ちょんをしては威嚇、おしりの臭いを嗅いでは威嚇を繰り返してました。
3日ぐらいたった頃から、以前と同じとは言えませんが、威嚇せずに過ごしてくれるようになりました。
今後の治療方針
FIPの検査結果が陰性だったこと、貧血や黄疸の症状から、やはりIMHA(免疫介在性溶血性貧血)である可能性が高いと診断されました。
退院後の治療方針は下記の通り。
- 初めは週1回の通院+毎日の服薬
- 毎日の服薬は粉薬で、ステロイドを0.75mgを1日1回
- 量としてはそんなに減っていないけど、注射での投与と粉薬の服薬では効果が違うことがある
- 様子が少しでもおかしくなれば即連絡か病院に連れてくること
- 通院時に血液検査をし、ステロイドの量や通院の頻度を都度決めていく
治療方針や症状に変化あれば随時更新していきます。
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